リモートお盆(怖い話あり)
お線香の匂いが好きです。
お盆になりました。
日本語おかしいですかね?(笑)
世の中コロナなので、母と二人だけでお盆をすることにしました。
ちょうどウンケーを済ませたところで、甥っ子から母に電話がかかってきました。
甥「ばあちゃん、リモートウートートーする!」
母に代わりカメラを仏壇に向けてウートートーしてもらいましたよ!(笑)
時代は変わったなぁと思っていたら、
甥「あ、メロン!」
私が狙っていたメロンが甥っ子行き決定になりました。
昔ながらの行事と、新しいコミュニケーションツールの融合が面白かったです。
さて、お盆だし、夏休みだし、ということで
怖い話を書きたかったのですが「絵が描けない」問題の解決が間に合わず。。。
恐怖感と臨場感がたっぷりのストーリー仕立てに書きたかったのですが…
仕方がないのでさらっと書きます。
このあと、怖い話になりますので、
苦手な方はここから先は読まないでくださいね。
「お迎え」の話
幼いころは喘息があったので、
夜中に発作で目が覚めてしまうことがよくありました。
その日も、発作で目が覚めてしまいました。
母がもってきてくれた吸入薬を使ったあと、
発作のときは横になるよりも座っている方が呼吸が楽なので、
そのまま二人で壁にもたれてうつらうつらしてました。
すると
(ちり~ん...ちり~ん・・・)
音が聞こえてきました。
私「鈴の音がする」
母「・・・」
(ちり~ん・・・・ちり~ん・・・・)
昔ながらの鉄でできた風鈴のような音が少しずつ近づいてきます。
まだ幼かった私は”風鈴”という言葉を知りませんでした。
(ちり~ん・・・・ちり~ん・・・)
私「鈴の音がするよ~」
私が繰り返し何度も言うと、母は私の耳を両手でふさいで言いました。
母「何も聞こえない!」
私「鈴の音が…」
母「ううん、聞こえない聞こえない!はい、眠ろうね~」
母は眠たかったのでしょう、私に眠るように言いました。
そのとき、私の横をなにかが通りすぎました。
それは、
私がもたれている壁からスーッと出てきて、
そのまま反対側の壁をスーッとすり抜けていきました。
それは白い着物(浴衣?)をつけた人たちの行列でした。
風鈴を持っている人
提灯をもっている人
駕籠を担いでる人
皆、一様に白い着物を着て、
頭にハチマキか、白い布かなにかをのせていたような。
人数は意外と多く、十数人くらいいました。
不思議なことは、
その行列は私の体の横を通り過ぎたのに、
私はその行列を部屋の天井あたりの位置から眺めていたことです。
ですので、その時に私が見ていたのは、
母と、私自身と、その行列ということになります。
その行列は階段を下りるときのように徐々に下降しながら前進しており、
部屋の真ん中あたりで地上に到達、
そのまま、まっすぐ反対の壁をすり抜けていきました。
そのとき怖くなかったか?と聞かれれば
正直、その時は恐怖は感じませんでした。
ただ、なんとなく
「あ、お迎えにきたんだ」
と、わかりました。
かぐや姫が月に帰るときのイメージに近かったのだと思います。
だいぶ色味は少ないですが。
じつはその日、お隣の家ではお通夜をしていました。
子供だったので
「隣のおばぁのお迎えだ」
と、思っただけでした。
すっかりそんなことを忘れて大人になっていたある日、
母「あんた覚えてるあの時のこと?」
私「あー、そんなことあったね!あれは私の夢かね?」
母「あんたよ~!私も風鈴の音、聞こえてたんだよ!」
どうやら母は風鈴の音だけは聞こえていたようです。
子供を怖がらせてはいけないと思い
必死に聞こえないフリをしてくれたのだそうです。
死者のお迎えに風鈴の音がするのは意外な気もしますが、
とても貴重な体験だったのではないかと思います。